佐賀線の廃線跡探索、第2回目です。
写真は2010年6月25日に訪問したときに撮影したもので、こちらは筑後若津駅跡となる福岡県側の入り口から撮っています。



遊歩道となった橋を渡っていきます。
可動部が近づいてきました。
右側の「筑後若津」の看板は廃止当時のものなんでしょうか?



これが可動部が上がっている状態です。
このすぐそばに可動させるための機械室があり、係員の方がお2人が設備の担当をしつつ記念品を売っていました。
その係員さんのご厚意で、可動する様子を撮影させていただきました。



係員さんの説明によると、約23mほどの高さを約5分ほどかけて可動するそうです。
(この動画は動き始めてから撮影したため短くなっています)
現在も時間を決めて可動を行っています。



写真には写ってませんが、現在可動させる機械室は鉄塔の足元部分にあります。
佐賀線現役当時の筑後川信号場として設置された際の機械室は今の場所とは反対側の3階建ての建屋に設置されていたと聞いたことがあります。
当時信号場の係員さんたちは筑後若津駅から施設専用の歩道を通って信号場に向かっていたそうです。
ちなみに名前は信号場でしたが、いわゆる列車交換の設備はなく、あくまでもこの橋の可動のみの業務でした。


この可動橋をディーゼルカーが通っていた時代はどんな光景だったんでしょうか?
それを彷彿とさせる動画をYouTubeで発見しました。
撮影者が1985年8月12日、奇しくも日本航空123便の墜落事故が起きた日に撮影したものだそうです。



昇開橋の手前になる諸富駅から昇開橋を渡り筑後若津駅で降りた動画。
この動画の1分32秒頃に筑後川信号場の建屋が、2分3秒からは現役の筑後若津駅が映っていますね。



こちらは反対に、筑後大川駅〜筑後若津駅〜諸富駅と乗車している動画。
撤去された跳ね橋の花宗川橋梁を渡り、昇開橋を渡り終わる直前で動画が終わっています。
これは貴重な動画です。


それでは、佐賀線廃線跡探索を続けましょう。
今回は筑後若津駅からの探索です。


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今回、福岡県側の探索は2017年3月25日の午後の遅い時間に瀬高駅側から始めたため、筑後若津駅跡に到着したときには暗闇に包まれる直前になってしまいました。



ちょうど筑後川昇開橋がライトアップされる時間です。



福岡県側にも筑後川昇開橋の説明板があります。



ここが筑後若津駅跡であることを示す看板です。



ところで橋の近くにこんなものが造られていました。




これは何の施設になるんでしょうか?



ちょっと暗くてわかり辛いので、2010年撮影時の写真も置いておきます。

















当時はこの駅からも築堤が続いていたようですが、現在はその築堤は崩され遊歩道を併設した車道が出来ています。



樹木に隠れてしまってますが、この写真のゲートの上部にあるのは昇開橋を模したモニュメントですね。



では今回の探索に戻ります。



階段を降りてきたところ。



一方通行になっている道路を進んでいきます。



ここで驚いたことがあります。



この先、新しい橋の架橋工事が行われていたのです。



ちょっとここで2006年12月30日の探索にタイムスリップします。



この道路は行き止まりになっており、この箇所から180度反対を向くと次の写真のような光景でした。



中央部分をズームアップします。



築堤の跡がおわかりになるでしょうか?
元々ここには花宗川を渡る花宗川橋梁という跳ね橋があったのですが、保存された筑後川橋梁(筑後川昇開橋)とは違い、こちらの橋は廃止後まもなく取り壊されてしまったそうです。
その花宗川橋梁跡に再び橋が架かることに気付き、驚いてしまったのです。



反対側に回って、筑後若津駅側を撮った写真。



回れ右すると、先ほどの築堤が。











築堤が終わったところからは道路工事が行われていました。



2017年に戻ります。



今架橋工事が行われている道路はこの交差点に繋がっています。
残念ながら廃止当時と同じ跳ね橋ではないようですね。
ここから佐賀線跡は4車線の道路の一部になっています。



その場所から瀬高駅側を向くと、先ほどの2006年の写真にも映っていた大川公共職業安定所(ハローワーク大川)があります。
この敷地が筑後大川駅の跡です。



駐車場の一角にその記念碑があります。



職安から筑後若津駅側を見た写真。
この道路を進んでいくと大川市水処理センター付近で小さな道路が分岐します。



筑後大川駅方向しか撮影してなかったので・・・佐賀線跡はここから大きな通りより離れます。



民家と田園地帯を線路跡の細い道路が抜けていきます。



県道716号線と交差した後、佐賀線跡はそのまままっすぐ。
その先にはさきほど交差した先から直角に曲がり、建設中の高架橋がそびえ立つ県道716号線が見えます。



この高架橋は国道208号線のバイパスである有明海沿岸道路になる予定です。
このバイパスも佐賀市へ向かう計画ですが、まだ事業中で開通は未定です。



廃線跡はこの付近で県道716号線と合流します。



この道路をよく見てると、ところどころでこんな光景が見えます。



翌日に反対側の車線から撮ったのですが、この写真の中央付近・・・おわかりになりますか?



そうです、鉄道の橋梁が残ったままになっています。



ちなみに2006年の訪問時は、まだ道路そのものが建設中でした。











さっきの合流地点から佐賀線の跡地は今の道路の中央部分を通るみたいですね。



2017年に戻ります。



県道716号線を進むと大川東交差点、その先に大川東インターチェンジがあります。
有明海沿岸道路は三池方面もまだ全通しておらず、この大川東ICから次の柳川西ICまでが開通していて、2017年秋に徳益ICまで開通し三池港ICまでが繋がるようです。

さて、この写真の左側真ん中付近をご覧ください。



この交差点付近が東大川駅跡になります。





再びタイムスリップ。
ちなみに2010年訪問時にも、この案内板がありました。



さらにタイムスリップ。
しかし2006年末の訪問時には、まだホームが残っていたのです。













これを見たときには「おお〜っ!!!」と声を上げたものでした。





その横で、「有明海沿岸道路なんて必要なのか?」と疑問に思ったものでした。



2017年に戻ります。
この先も佐賀線の跡は有明海沿岸道路の下敷きになっているのですが、途中から再びその姿を現します。
この続きは・・・次回、最終回のエントリーで。