10月14日の鉄道の日に合わせて発売される「秋の乗り放題パス」と「鉄道の日記念JR西日本一日乗り放題きっぷ」。

本音を言えば「秋の乗り放題パス」でまた長丁場の乗り鉄をしたかったところなんですが、予算の都合その他諸々の理由で計画を大幅縮小。
「JR西日本一日乗り放題きっぷ」を使った小旅行ならぬ小乗り鉄に行って来ました。

今回のメインターゲットは錦川鉄道。
いつも岩国駅から先に行くから通り過ごしてばっかりだったので、今回は近場である第三セクターを狙ってみることにしました。
以前から一度、清流新岩国駅(旧・御庄駅)から山陽新幹線の新岩国駅までを歩いてみたいというのもあったからです。
そしてもうひとつ、未成線となった岩日北線の着工区間の一部を利用した「岩日北線記念公園」を走る「とことこトレイン」にも乗ってみたく、今回の乗り鉄と相成りました。

それでは乗車記を出来るだけ手短に・・・出来るかな?(汗)


【10月19日 追記】
今回もダイジェスト版をビデオポッドキャストで配信しました。
こちらからどうぞ。
(長々とした記事を読む気がない方は是非こちらへ、汗)
配信第149回目~錦川鉄道への旅。


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今回はJR西日本の企画きっぷを利用するので、下関駅まではSUGOCAで手出し。
下関駅できっぷを購入し、まずは徳山駅へ。



ここで岩徳線の列車に乗り換えるつもりだったのですが気が変わり、岩徳線との分岐駅である隣の櫛ケ浜駅で乗り換えることにしました。



岩徳線に乗るのは2011年7月以来
あのときは岩国駅まで乗り通しましたが、今回は錦川鉄道との分岐駅である川西駅で降車。



初乗車の錦川鉄道錦川清流線。
1963年に全通した路線ですが、1987年まで国鉄岩日線、数ヶ月間だけJR西日本として運営された後移管され現在に至っています。



名前の通り、二級河川の錦川沿いに走って行く錦川清流線、車窓は素晴らしいものです。







途中二ヶ所の滝のそばを走る時は速度が落ちます。
観光路線としての運行を意識しているようです。
水はほとんど流れていませんでしたが。(苦笑)



終点の錦町駅に到着。
運賃精算時に乗車証明書を受け取ります。



これがとことこトレインのきっぷを購入するときに必要なのです。
とことこトレインは錦川鉄道利用者に限り錦川鉄道のホームページで乗車予約が出来ますが、この乗車証明書をもらうと、おとな1名往復1,200円が1,000円で乗車出来るのです。



これがそのとことこトレイン。
こちらは2005年の愛知万博で使用された電気自動車グローバルトラムを譲り受けた2代目だそうで、初代は2001年に開催された山口きらら博で会場内を走った車両を使っていたそうです。



さて錦町駅を出発。



駅を出るとすぐ全長1796mの広瀬トンネル、通称「きらら夢トンネル」に入ります。



このトンネル内には光る蛍光石とブラックライトにより描き出された壁画を楽しむことが出来ます。
途中でしばらく停車するので、降りて見ることが可能です。



トンネルを出ると宇佐川を跨ぐ橋梁を渡るのですが、進行方向左側に大きな構造物が現れます。





これが橋梁上に造られる予定だった出市駅のホームなんだそうです。



次の全長1158mの第一山根トンネルにはこうもりが生息しているとか。
トンネルを抜けると桜並木がある岩日北線記念公園。
桜並木の途中には全長20mの深竜寺トンネルがあります。



次の全長190mの道念トンネルの手前には周防深川駅が設置予定だったとか。
さらに全長51mの第一小山トンネルを抜けると、とことこトレインの終点雙津峡温泉駅。



その先は進むことが出来ませんが、第二小山トンネルが口を開けたままになっています。



この雙津峡温泉駅は元々駅の設置予定がなかったところですが、ロータリーになっており、とことこトレインが一周して進行方向を変えられるようになっています。
駅を出て赤い吊り橋を渡れば温泉場です。



約6kmを40分かけて走ってきたとことこトレイン。
このとことこトレインはこの岩日北線記念公園を走る遊覧車としての運行です。

そもそも錦川清流線は岩日線という名前で岩国駅と山口線の日原駅を結ぶ計画だった路線です。
現在終点である錦町駅からは「岩日北線(なぜか「がんにちきたせん」と読むのが正しいようです)」という名前で工事が行われたいわゆる公団AB線で、途中の島根県鹿足郡吉賀町(旧六日市町)六日市までの工事がほぼ完了したのですが、国鉄再建法成立により岩日線側は第二次廃止対象路線、岩日北線は工事凍結と相成ったのです。
そしてこの出来上がった路盤の内、この区間を旧玖珂郡錦町が公園として整備し2002年からとことこトレインの運行を始めたそうです。

せっかくそこまで造ったのなら六日市までは開通させても良かったんじゃないかと思うんですが、おそらくすぐ廃止になりそうな気がしますね。
錦川清流線の駅の周辺にはほとんど民家はなく、あまり乗下車する人も少ない典型的な赤字ローカル線の光景が見られるからです。
ただ幸いなことに、並行して走っていたバス路線が一部撤退した他、鉄道事業以外の収益が好調なことから、路線の廃止には至ってないようです。



その岩日北線に繋がる線路ですが、この留置線が延伸するのではなかったようですね。
このまま伸ばすと民家にぶつかります。



この車庫につながる線路がそのまま伸びていけば、岩日北線記念公園に繋がるような感じがします。



錦町駅。
ここが錦川鉄道本社でもあります。



この錦町駅には腕木式出発信号機が常設展示され始めたばかりです。
ただいま愛称名募集とか。
詳細は錦川鉄道のホームページで。



さてとことこトレインを往復し錦町駅から清流新岩国駅へ向かいます。
到着後、清流新岩国駅からJR新岩国駅までを歩いてみました。



新幹線の最寄り駅でありながら、新幹線と在来線の駅名が違うのは全国でもここだけ。
またつい最近まで、時刻表などで最寄り駅としての案内さえされていなかったという清流新岩国駅。
2013年、それまで名乗っていた御庄駅から改称されましたが、新幹線利用のために使う人はほとんどいない感じです。



錦川鉄道錦川清流線と新岩国駅に隣接する山陽新幹線の保線基地が渡り線で繋がっていると聞いて、周辺を歩いてみたのですが、正直よく分からなかったので、乗った車両の後方から動画を撮ってみました。
なんとなく渡り線は廃止されているような感じですね。
まあ、2時間列車待ちでしたのでいい時間つぶしにはなりましたが。(苦笑)



そのまま岩国駅に到着。



錦川清流線は0番のりばの発着です。



これで錦川鉄道錦川清流線も制覇です。
でも今度は春、さくらのきれいな頃にとことこトレインも含めて、もう一度乗りに行ってみたいですね。
雙津峡温泉で1泊してもいいしなあ。



山陽本線に乗り換えて九州へ戻ろうとした頃には、日もとっぷり暮れてしまいました。
もう秋なんですね。

そんな、錦川鉄道への乗り鉄記でした。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。




【10月19日 追記】
今回もダイジェスト版をビデオポッドキャストで配信しました。
こちらからどうぞ。
(長々とした記事を読んだ後で再度おさらいしたい方は是非こちらへ、汗)
配信第149回目~錦川鉄道への旅。