何もない広大な土地、広い空間。
この空虚感は何だろう?
その片隅に、長大なホームが眠っている。
ここは1989年(平成元年)12月23日で廃止された筑前宮田駅の跡地である。
1902年(明治35年)に開業、当初宮田駅と名乗ったこの駅は1904年(明治37年)桐野駅と改称され、1937年(昭和12年)に筑前宮田駅となった。
この駅もご他聞に漏れず、筑豊地区の石炭の積み出しで賑わった駅であり、最盛期にはこの近くにあった貝島炭鉱から、この駅を終点とした宮田線に向かっていくつもの線路が延びていたそうだ。
また宮田線自身も途中の磯光駅から菅牟田貨物駅まで約2kmの貨物専用線を持っていた。
その貝島炭鉱も1974年(昭和49年)に閉山、その本社跡地も最近住宅分譲地に生まれ変わったらしい。
宮田町には1992年(平成4年)12月トヨタ自動車九州の工場が出来、2006年(平成18年)2月には若宮町と合併して宮若市になったが、今の街の賑やかさはその石炭最盛期に到底及ばない。
そんな町と直方市を結んだ約5.3kmの鉄道。
九州鉄道が敷設し1902年に開業、国有化後の1912年(明治45年)に桐野線に名称を改めるものの、1937年の筑前宮田駅の改称とともに宮田線となった。
途中の磯光駅からの貨物支線は1904年に開業、紆余曲折を経て1977年(昭和52年)7月20日に廃止されている。
約87年近くの歴史に終止符を打って17年以上の歳月が経った宮田線。
気晴らしついでのドライヴでその跡を追ってみました。
宮田線の詳細についてはこちらでどうぞ。
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【2007年7月19日 追記】
僕が最近お世話になっている方がこの宮田線跡を映像化されています。
僕が探索したときは磯光駅と、菅牟田貨物駅へ向かう貨物支線の分岐跡が分からなかったのですが、この映像ではそれらも紹介されています。
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